枯山水の最高峰、大徳寺大仙院 

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大徳寺
方丈の北側に位置する塔頭で、開山は古岳宗亘禅師。

当院の庭は、龍安寺と並ぶ(あるいは対照的な)枯山水の頂点として、余りにも有名。

古岳禅師は方丈をめぐるわずかな場所に、

蓬莱山(書院庭園)から流れ出た水がやがて大海に到達するまでを石と砂で表した。


 書院庭園(花頭窓、大河) 


ある面では、「わかりやすさ」もこの庭の特徴かも。

抽象的と言うよりも具体的。

例えば「宝船」を表す石はどうみても「宝船」の形をしてるという具合に。

でも、具体性を示されても思惟の余地がないわけではないし、

何を意味しているのか不明な庭とどちらが 好きかは人の判断でそれぞれ。
自分としては1個1個の石に意味を感じ取れる大仙院の庭は、

それぞれの石の個性がぶつかる緊張感に溢れた庭という感じがする。


 書院庭園(蓬莱山)
 

木々と石と塀が織りなす陰影、椿の名木脇にさりげなく置かれた井戸、

花頭窓から覗く蓬莱山を象った石――。

狭い敷地の中に古岳宗亘禅師が現した崇高な禅の世界。

花頭窓から覗く蓬莱山、大河を進む宝船、静謐な中海など、どこを切り取っても一個の世界を形作っている。


  中海


花頭窓といえば、40年ほど前までは花頭窓を持つ縁廊下がなく、

今よりも広い感じで石庭を望めたそうだが、

個人的には古図にのっとって復元された現在の縁廊下で区切られた光景の方が、

却って広さを感じることができるような気も。


 方丈前庭(大海)


ちなみに方丈と玄関は、日本最古とされ国宝。

縁側に座り、ゆっくりと方丈前庭を眺めるのも至福の時間・・・・。
個人的に大仙院は、桂離宮と並びいちばん好きな庭です。




※2021年現在、境内の撮影は厳禁となっているようです。これらの写真は、撮影が許可されていたかなり以前(2000年前後)に撮影しました。
当時は外国人の参拝客が邪魔にならないように縁側に座ってスケッチを描いていたり、とても自由な雰囲気だったので、
撮影禁止になったと訊いて驚きました。


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