天授庵 淵黙庭 南禅寺界隈の庭園 好きな庭 禅の庭 京都の庭園 MAP




天授庵(てんじゅあん)は、南禅寺三門の南に位置する南禅寺塔頭。枯山水と池泉庭園、二種類の庭を鑑賞することができます。









本堂東側の枯山水「淵黙庭(えんもくてい)」









「淵黙庭」は江戸時代初期の作庭。
苔に囲まれた菱形の飛び石が幾何学的な模様を作っています。
江戸初期に作庭されたそうですが、現代にも通じるこの造形は見事ですね。
「直線の美」を大切にした小堀遠州の発案という説に疑問を投げ掛けている人もいるようですが、
専門家以外にとっては作庭者の追求は些細なこと。いまなお斬新なイメージを醸し出している事実がすごい!







文字では上手く表現できないのですが、この緑にふわっと包まれた石畳と白砂、
そこに射し込む柔らかい陽射し
――。
このような一瞬の光景に出くわしたとき、庭に来て良かったなぁと痛感します。








新緑の季節と紅葉の季節








晩秋には、緑と白の世界だった庭が一挙に鮮やかに






「淵黙庭」から書院南側の池泉庭園に通じる道の間に建つ中門。延段も作られ、この周辺は茶室の露地のような雰囲気に






池泉庭園に向かう途中から観る書院






睡蓮が浮かぶ池泉庭園は明治時代に改修されました。









池泉庭園を過ぎると、静かな流れの清水と古色蒼然とした蹲踞(つくばい)が構成する一画も









書院玄関から観る、新緑の頃と紅葉の季節の書院の南庭






他でも書いていますが、天授庵の「淵黙庭」は自分にとって庭に興味を持つきっかけとなった画期的な庭です。
それまでは近代建築、あとなんとなく有名寺院に興味を持っていたのですが、
すぐ横の母校に用事で訪れた時に何気なく立ち寄ったこの天授庵で、日本庭園の魅力に触れた気がします。








新緑、紅葉、そして。どのような季節でも南禅寺はそのときどきの美しい景色で迎えてくれます。




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