大橋家庭園 「苔涼庭」 たいりょうてい



京都の庭園 町家の庭 地図 京都の坪庭・露地  




鮮魚商の元請け、大橋仁兵衛氏の別荘庭園として大正2年に完成。
監修は7代目小川治兵衛「植治」。大橋氏は小川治兵衛と親交があったらしいですが、
このように「普通の感じ」で名庭が市井に残っている事実が京都の奥深さを感じさせてくれます。


庭には燈籠が12基(玄関前を入れたら13基)も建ってるそうですが(自分では数えていない)、
ごちゃごちゃした感じを受けないのはさすが。
係の方(京都観光協会の方?)はとても親切で、質問に答えては下さりながら、
「ひとりで庭をゆっくりご覧になってくださってもいいですよ」。

お仕着せがましくもなく、かといって無愛想ともほど遠く、最高の対応でした。
ちなみに苔涼(たいりょう)庭、大漁と掛けて命名されたそうです。

この庭は水琴窟(すいきんくつ)でも有名で、特別公開ということもあり、次々に団体さんが訪れていました。








端正で端麗な玄関前の飛び石と燈籠。石の配置も燈籠の形態も個性的









寺社と比べたら決して広くない敷地(邸宅としては大邸宅ですが)に作られた多彩な趣の庭









訪れたのは庭に興味を持ち始めたかなり前(2006年頃?)と思うのですが、
今から思えば、ここ大橋家庭園が最初に意識して鑑賞した町家、邸宅の庭かもしれません。













屋内から眺める庭園。切り取られた庭の風景、洗練された窓の配置や屏風などがとても印象に残っています。









飛び石と至るところに設置された燈籠、豊かな苔と植栽。絶妙な遠近法で奥行きを感じさせる名園です。









石燈籠はどれも個性的で、でも奇をてらった感じはなく、品格を漂わせています。









茶室になる予定だった待ち合い。円窓の影がとても美しい






円窓の意匠と瓢箪が独特で、洒脱な雰囲気









手水鉢と坪庭。確かこの手水鉢が「水琴窟」になっていたと思います。






他にも複数の蹲踞(つくばい)が置かれていたと思うのですが、訪問当時は露地にほとんど興味が無く…。
蹲踞以外にも見どころ満載の庭園だったので、再訪の機会にはいろいろな視点から、あらてめて鑑賞したいですね。







粋な下駄が、なんとなく戦前の豪商のイメージを彷彿とさせます。

 

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