竹葉亭本店の庭 

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竹葉亭(ちくようてい)は、江戸時代の嘉永年間に開業した東京有数の鰻料理の老舗で、多くの名士、財界人に愛されてきた名店です。
このお店ほど文学作品にも多数登場する鰻料理店は珍しく、おまけに関西でも有名という関東の老舗では希少な存在。
ホームページによると、阪急グループ創始者の小林一三や伊藤忠兵衛が関西出店を働き掛けたということです。









玄関から庭に行く途中の露地風の廊下と潜り戸から見える石燈籠と井戸。
老舗とは言え、庭にはそれほど期待していなかったのですが、いやー庭もさすがに洗練されていて感動しました。






この潜り戸の存在で、露地風の廊下が一挙に無限の広がりを持ち、山水画のような額縁効果も。
この潜り戸がもし閉まっていたら、目にした風景は全く違っただろうな。お店の方のご厚意に感謝です。









庭は、ここが銀座とは思えないわびさびの世界。竹垣も井戸の風情も美しく。






庭の先には個室と茶室









枝折戸(しおりど)の向こうには本格的な露地。無駄がない簡素な美しさは、関東には意外に少ない貴重な存在です。










さらにこの庭で秀逸なのは、曲線を描く長い延段。「行」から「草」に自然な感じで変わっていき、茶室に続きます
(延段には石組みにより、切石のみを使用する「真」、自然石も混ぜた「行」、ほぼ自然石で構成される「草」の3形式があります)。






お店の方に伺うと、大正年間にお店が移ってきたとき、京都の庭師さんに作庭してもらった、とのことでしたが、
このホームページによると、多くの名庭の修理や作成を手がけた田中泰阿弥が1953年に作庭したとの記載も。
いずれにしても、東京でこれだけ本格的で簡素な露地にお目にかかれるとは思っていなかったので、訪れて本当に良かったです。






ただお店の方曰く、「うちは庭ではなく鰻で勝負しています」。
当日はいちばんリーズナブルなうな丼を頂きましたが、さすが老舗の風格。
お店の方の自信通り、とてもあっさりした絶妙な味付けでした。ごちそうさまでした。






お店の住所は銀座8丁目(以前の住居表示は木挽町)になりますが、徒歩の場合は新橋利用が便利と思います。



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