「幻」の池泉庭園 (東京都)  東京の庭園 






隠れた名園があると訊き、精進料理醍醐青松寺の帰り道に立ち寄った浄土宗のお寺。
突然の訪問にもかかわらず、ご住職は快く申し出を受けて下さり、時折雨が降る悪天候の中、庭に案内して下さいました。









池の真ん中に溶岩でできた亀島が浮かぶ特徴のある池泉庭園。ご住職によると、琵琶湖に見立てて作られているそうで、
中島は竹生島に相当するとのことでした。









池を囲む植栽の中、ひときわ目を引くのが池にまで張り出した松の木。この松こそがお寺の名前の由来になったとのことで、
ご住職は特に大切に育成していると語っておられました。






お話を伺っていると突然の雨。この風情も捨てがたいですね、と感想を述べたところ、「雪が積もったときは格別の美しさです」とご住職。
立体的な庭園なので、松が枝や溶岩の中島に雪が――と想像するとその美しさが目に浮かぶようでした。









池を琵琶湖に見立てるとこの石橋は瀬田の唐橋!と思ってお伺いすると、「その石橋は後から架けられたようです」。
生半可な知識を披歴して恥ずかしい限りでした(笑)。









木の枝の下に配置された蹲踞(つくばい)、苔むした大木の幹と石灯籠。
決して広くない庭ですが、独自の世界観を醸し出した見応えのある庭でした。
作庭時期は明和年間(1764〜1772年)。
眺めれば眺めるほど味わいを感じるのは、歴史の重みと作庭者の強いメッセージが残されているからでしょうか。









「このお庭は建物の中からご覧になるとより美しいですよ。次回はぜひ、中からご覧になってください」と、温かいお言葉を掛けて頂きました。
突然の訪問にもかかわらず、ありがとうございました。建物内からの風景、そして雪が積もった日の景色。楽しみです!
また私の母校が浄土宗系だったので、浄土宗についても少しお話しができ、貴重な時間を過ごすことができました。



本当に美しい池泉庭園で、ホームページの趣旨も伝えて撮影も許可して下さったのですが、原則的に「非公開」。
果たして、有名になることがお寺にとって有益なのかどうか迷いましたので、現時点では敢えて名前を伏せました。ご了承下さい(ヒントはいろいろ出てしまっていますが)。

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