やっぱり大徳寺


→ 大徳寺

京都でどこのお寺が好きですか?と訊ねられたとき、まずいちばんに頭に浮かぶのが「大徳寺」。

何て言うのかな、計算されたものかどうかはわからないけど、庭そのものの造作だけじゃなく、

土塀に映える寒椿の枝振りや井戸の配置などちょっとした「脇役」の存在が他のお寺とはちょっと違うというか。

これは主観だけど、侘び寂びの雰囲気にあふれながら、いっさい「鄙」を感じさせないところが「す、すごい」と思ってしまう。

庭そのものでは大仙院の山水画のような方丈庭園、真珠庵の七五三の庭、龍源院の個性的な4つの庭などなど、どこも完璧までに美しい。

自己紹介でも触れたように、お寺の良さにはまったきっかけは仕事の合間に何気なく出かけた鎌倉の円覚寺だが、

円覚寺でお寺の雰囲気の良さに改めて気づき、ここ大徳寺で寺に対する関心が一挙に高まったという感じだろうか。

もともと大徳寺とは生まれる前から強い縁があった 、というのも大徳寺が好きな理由かもしれない。

なんと両親が新婚時代(!)にある塔頭に住んでいたのだ。。。。

文化財の設計技師をしていた祖父の紹介でその塔頭に住むことになったそうなのだが、

新婚でお寺とは少しアンバランスな感じもするものの、重要文化財の宝庫であるその塔頭に住めたというのはなんと贅沢な・・・と思ってしまう。

それが縁でその塔頭を訪れて何回か特別に拝観させてもらったこともあるんだけど、両親が住んでいたのはもう何十年も前のこと。

その旨を言っても事情を飲み込めない(?)お手伝いのオバサンたちの愛想の悪さに最近はだんだんと足が遠のいている。

両親は懐かしい気持ちで訪れているのに、機械的に「さっさと」通りいっぺんの案内をする感覚の鈍さには驚いてしまうばかり。

感覚の鈍さといえば、大徳寺の塔頭はほとんどが非公開で、おまけに特別公開されても撮影禁止。

カメラのフラッシュで悪影響を与える襖絵などの撮影禁止は理解できるが、どうして庭までだめなのか。。。。。

だいたい国民の財産でもある名勝の庭園をかたくなに公開しないということ自体が変だと思うのに、

公開したとしても「撮影禁止」。いったい「なに様なんだ・・」と思ってしまう。

撮影禁止の理由としてまず挙げられるのがマナーの悪さだが、写真を撮るのはそんなにマナーを乱すことだろうか。

もちろん、三脚で苔を傷つける、立入禁止区域に足を踏み入れるというのはマナー以前の問題だが、そこまでするのはごくごく一部の人たち。

そういう人種は撮影禁止に関係なく社会的に問題があると思われるので、警察にでも突き出せばいい。

ただ、スナップ程度の写真がどうしていけないのか、となると明快な答えはないんじゃないかな。

マナーだったら寺にまで来て大きな声で世間話をするオバサンたちの方がシャッターを切る音よりよっぽど迷惑だし・・・・。

結局は撮影禁止で箔が付くと勘違いしているだけじゃないの?と凡人には思えてしまう。

「拝観謝絶、撮影厳禁」

いったいいつまで続くことやら・・・・。そういえば大徳寺そのものも、七堂伽藍が建つ区域は立入禁止になっている。

「文化財保護のため」だそうだ。

でも、それだったら、排気ガスを出しながら境内を通り抜ける自動車はどうなるんだろう。

さらに、境内に無造作に駐車された自動車なんかマナーも美観も損なっていると思うけど、関係者の車は便宜上よしとしているなら、ちょっと勝手では?

拝観謝絶、撮影厳禁を声高に主張する塔頭の門前に駐車されているクルマ。笑止千万。まず隗より始めよ、ですな。


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