北区・西ヶ原の小高い丘に聳えるジョサイア・コンドルの洋館と、その下方に拡がる小川治兵衛(1860〜1933)作庭の日本庭園。
東西の芸術家が残した貴重な史跡です。古河財閥の古河虎之助男爵の邸宅として整備されました。
コンドルが設計した洋館は神奈川県真鶴(まなづる)の新小松石(安山岩)の積み上げた、英国風の別荘建築。初夏には周囲を薔薇が囲みます。
洋館から階段を降りると日本庭園
4月中旬に訪れたときは、ちょうど桜が散り始めた季節と重なったため、州浜の向こうに拡がる池の水面は桜の花びらで埋め尽くされていました。
雪見型灯籠から別の石燈籠を望む日本的な風景。灯籠と洲浜と石組み。京風の作庭を関東で堪能できる貴重な庭園です。
閉園前のゆったりとした時間に水面をたゆたう花びら
園内の至る場所も花びらで埋め尽くされ、「花散里」という言葉が頭をよぎりました。
つい花の美しさに目が行ってしまいましたが、庭園には小川治兵衛の個性を活かした石組みが目立ちます。
関東では珍しいとされる「崩石積(くずれいしづみ)」という手法(崩れそうで崩れない石積)が、特に高い評価を受けているようですね。
園内には茶室もありますが、後で設置されたのでょうか。蹲踞(つくばい)などに余り年月を感じませんでした。
階段を上って再び洋館へ
明治維新後に全国から集められた公卿や藩主、首都で財を成した富豪の名建築や庭園は東京の大きな文化遺産ですね。
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