三つの卓越した庭であまりにも有名な東海庵。帰洛した日が、ようやく特別公開の期間と重なった幸運に感謝。
こちらは方丈の玄関です。
東海庵では特に七つの石を配した坪庭が有名ですが、
個人的には方丈南庭の「白路地の庭」がいちばんの目当てでした。
ただ白砂が広がるだけの空間ですが、簡素でありながら、この凜とした美しさ、潔さはやはりすごい。
自然が織り成す太陽の光、木々の影がそのまま庭の要素に取り込まれていきます。
そして、あまりにも簡素に流れそうな風景に大きな緊張感を与えているのは、東の隅に配された一個の手水鉢
この棗(なつめ)型の手水鉢の存在が緊張感の磁極となり、この庭全体に緊張感を与えている存在になっています。
方丈の正面(南庭)は本来、儀式の場として特に装飾などを行わず、白砂だけの庭だったそうです。
その本来の姿に余計な手を加えず、横一方向の砂紋だけを引き、隅に見事な形の手水鉢を配置することで、新たに簡素な美しさをつくり出しました。
→ 東海一連の庭・坪庭
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