京都市国際交流会館 京都の庭園 地図  南禅寺界隈の庭園 京都の坪庭・露地





地下鉄東西線の蹴上駅から南禅寺参道に向かう途中、無鄰菴(むりんあん)の隣に建つ京都市国際交流会館






国際交流会館は、大正15年につくられた京都市長公舎・迎賓館の跡地に建てられ、庭は市長公舎時代のまま保存されています。
作者は、南禅寺界隈に多くの庭をつくり、近代日本庭園の先駆者とされる七代目小川治兵衛(植治)









庭の奥の方に池泉があり、他の別荘庭園と同様、琵琶湖疎水から水が引かれているとのこと。
ただこの庭園、なぜか散策はもちろん、外で出ることも禁止となっているため、館内から遠くに池を眺めるしかできません。






外から観ることができる場所は、建物に向かって左側、元喫煙スペース近くのちょっとした隙間からのみ。
特別公開日のみ立ち入ることができるみたいですが、せっかくの名園、もう少し開放してほしいですね。






池に架かる石橋と切支丹灯籠。ここまで「切支丹灯籠」の特徴を明確に示す灯籠も意外に珍しいかも。






国際交流会館の外観。
この界隈は高校の通学路だったのですが、全く印象になく、
最近になって「そういえば近代的な建物があって、庭もあったような」と気づいた感じです。
無鄰菴も「なんか長い塀が続いてるなぁ」くらいのイメージしかなかったし、
地元高校生の意識なんてそんなもんですよね(高校生に限らず、京都市民の大半がそうかも)。







2年ほど前、何十年ぶりかで訪れた日は12月の初旬。美しい紅葉に巡りあえたのはうれしい偶然でした。









その当時は切支丹灯籠横に光悦寺垣も設置されていましたが、
なぜか現在は光悦寺垣は撤去されています(池泉の眺望を考慮して?)










館内と庭。ロビーから植治の庭が観られるのは贅沢ですよね。素直に感動






京都の庭の特徴ですが、中に入ってみると、想像よりも広い庭が拡がっています。






至るところにこのレベルの庭が残されているのはさすが京都。
「京都にあるというだけで、庭が評価されている」と主張する地方出身の方もいますが、
こういう庭が地方に1カ所でもあったら、それだけで名所になるのでは? (地方都市でたった1つの国宝を大々的にアピールしてる感覚と同じというか)
実際は京都に存在するがゆえに話題にならない庭の方が多い気もします。





七代目小川治兵衛の庭に関しても、京都では特にアピールされることもなく。
でも、一般の観光客にとって、作庭家はあまり大きな関心事じゃないと思うんですよ。京都であろうが、どこであろうが。
主観での好きか嫌いか。綺麗かどうか。結局はこれが本当は一番大事なんですよね。

庭好きにとって、七代目小川治兵衛はまさに近代庭園の立役者、自分も大いに尊敬していますが、
有名な作庭家だからどうのこうのという主張は、庭好きの少し偏った見方かもしれませんね(それが小堀遠州でも、重森三玲でも)。
ただ自分もやはり庭好きなので、どうしても個人的に思い入れのある作家の個性などは強調してしまいますが・・・。

ちなみに少し話題がそれますが、個人的には「あの外国の有名人も訪れた!」などに全く興味なく。
たとえ有名でも、そんな一個人のこと、「え、それで?」「どうでもええわ」って思いません?(笑)。
例えば某有名ミュージシャンが絶賛したとされる某庭、自分は全く良いと思わなかったし、
反対にそのミュージシャンと同じ感性じゃなくて良かったーとも感じました。
いまだに外国人の称賛が正当な評価よりも優先される日本の風潮を批判している人に限って、
「あの著名な外国の○○も訪れた!」ことをアピールする矛盾、二枚舌のケースが多いのも不思議ですね。
有名な料理店の格付けで、京都の一流料亭が「外国の畑違いの会社が何を理解してはるんやろ、うちは結構どす」と言ったことの方が小気味良いですね。




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