祇園料理 鳥居本 


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以前から訪れたかった祇園の街中にある老舗の料亭、鳥居本
念願叶って、2023年の早春にようやく訪れることができました。
京都の町家特有の狭い間口ですが、門を入るとべんがらの塀に囲まれた石畳の露地が玄関まで続いています。









玄関周囲の庭は簡素な造りでありながら、上品な雰囲気








玄関で女将の出迎えを受けた後、通された部屋は庭に面した離れ









部屋から観る庭は枯淡の趣もあり、とてもここが祇園の街中とは思えない、まさに「市中の山居」。
次々と運ばれる美味しいお料理に舌鼓を打ちつつ、どうしても興味は庭の方向へ。







訪れた日は早春でしたが、初夏のような陽気。簾が早くも京都の夏を感じさせてくれますね。









深い庇(ひさし)が特徴的な数寄屋造の本館から眺める庭は想像以上の広さ









金沢の名園、野村家庭園と似た雰囲気で、一つ一つの石燈籠や石に歴史の重みを感じます。
鳥居本の創業は江戸時代の享保年間(1716~36年)。
現在の場所は茶人・織田有楽斎(織田信長の弟)の邸宅跡と言われています。










庭にはいくつかの離れがあり、どの建物も風格ある造り。それぞれ露地風の庭に囲まれています。






滝石組みも名石を配した豪壮な造り













他にも個性的な石や石燈籠が庭の至るところに配されています。
それぞれの由来を聞きたくなるほど、興味を惹きました。









美味しい食事を頂き、庭を散策して大満足の鳥居本。
老舗の名料亭ですが、女将は一見の私にもとてもご親切で、話も弾みました。
女優の田畑智子さんのご実家としても有名ですが、この祇園のど真ん中の老舗のご出身と訊くと、
田畑さんが醸し出す上品な雰囲気もなるほど――と納得しました。
女将とは京都ならではの懐かしい話で楽しい時間を過ごせたのですが、庭の話を全く失念。
名石の由来などを全くお訊きしてこなかったのが後悔です。






料理に関してはほとんど写真も撮らず、味わうことに専念していました。
椀物は、萬重と同様、蓋を開けたときに既に「盛り付け」されているんですね(これまで気づかなかった鈍感な自分)。
ちなみに鳥居本が提供する料理は「祇園料理」。詳しくはこちらのサイトをご参照ください。







観光客でにぎわう花見小路から少し横道に入り、祇園町の料亭で過ごした時間と空間、
女将さんとの楽しい語らいは帰洛のかけがえのない想い出になりました。
庭の由来などをあらためて伺うためにも、もう一度ぜひお邪魔して祇園料理を堪能したいですね。


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