蹴上浄水場 造形礼賛

京都の近代建築 煉瓦建築 蹴上界隈 京都市左京区 地図
日本最初の急速濾過式浄水場として有名な蹴上浄水場。
明治の京都は近代制度の学校、電気、市電と
意外にも日本でいちばん西洋文明の吸収が早かった。

明治から今まで京都市民に水を提供している浄水場、
市民の生活を維持する貴重な施設であるとともに、
敷地内に植えられた躑躅(つつじ)の名所でも有名。
この季節だけ市民に一般に開放されるのは京の風物詩にもなっている
(本数は約4,600本だそうですby京都市水道局)。
 




いやー花には全く興味がないけど、
これだけ躑躅が咲き乱れている景観は見事!と思わず感嘆した。
“躑躅のトンネル”まであってなんとも贅沢な気分。
花に関心がない自分が浄水場を訪れた目的は、
明治45年に竣工した第1高区配水池の煉瓦建築。
この公開の時期を逃せば観ることは不可能と思い足を踏み入れた。


ヨーロッパの古城をイメージしたような双塔の建築物。
明治の人々はどんな思いで浄水場にこの様式の建物を配置したのだろう。
雨に濡れた表情がさらに艶めかしい。いいなぁ戦前の煉瓦建築って。


ちなみにこの辺りからの眺望も最高!
「ふとん着て寝たる姿」の東山と南禅寺の三門などが目の前に。
界隈は名庭を抱えた日本有数の別荘街としても有名
(ちなみに写真中央の三門のすぐ横の建物が母校の東山高校)。





蹴上、南禅寺周辺には今でも近代京都の遺産が多く残されている
(上の写真は三条通沿いに残る旧蹴上第2発電所、明治45年竣工)。



浄水場施設の設計は日比忠彦、田邊朔郎。
発電所は不明。

地下鉄東西線蹴上駅からすぐ。浄水場の公開は5月上旬の数日間のみ。


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