東福寺 





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洛南の大禅刹、東福寺。東大寺と興福寺から一文字ずつを採って命名したというだけあり、
とにかく大きいというか壮観というか、なんでもあるというか。
巨大な三門、仏殿から瀟洒な開山堂、渓谷には風格ある橋が架かり、方丈や開山堂の周りには凛とした庭園もあり、
季節ごとに異なる美しい景色を堪能できる――と、どんな要求にも応えてくれるお寺です。

寺域には龍吟庵退耕庵霊雲院芬陀院光明院という個性的な塔頭もあるので、
お寺に興味がある人なら一日いても飽きないのでは?
見処満載のお寺の割にはそれほど混雑することなく、ゆっくり拝観できますが、
紅葉の季節だけは朝からラッシュアワー並みの人出になるので要注意です。




       
       
東福寺方丈庭園 東福寺開山堂庭園  
       
       
   雪の東福寺
       
       
       
       
 通天橋・偃月橋・臥雲橋    紅葉の東福寺  
       
       
東福寺を創建したのは、摂関家・九條家の関白、九條道家。
源平の争乱時代に朝廷で活躍した九条兼実の孫に当たり、道家も朝廷で権勢を振るいました。
東福寺の開山は1236年ですが、伽藍が完成したのは19年後の1255年。
巨大な三門は国宝、開山堂や偃月橋など多くの建造物が重要文化財に指定されています。
庭園に関しては、近代になってから整備されたものが多く、特に重森三玲の作品が多く残されています。

境内図(東福寺のホームページから引用)

壮大な寺院にふさわしく、境内はとても広く、仏殿や方丈の周囲には多くの塔頭が法灯を今に伝えています。
塔頭の庭はどこも個性的。常時公開している塔頭は限られていますが、季節ごと(特に紅葉の季節)に公開されるケースも多くなっています。



 
 
  光明院  
   
   
       
       
紅葉の光明院     雪の光明院  
       
光明院は東福寺の勅使門を南に下がり、少し歩いたところに。
特に公開を謳うわけでもなく、志納金を納めて静かに庭を拝観できる貴重な寺院でしたが、
いつのまにかメディアなどで「隠れた名園」と紹介されたことで、紅葉の頃などには大混雑するようになってしまいました。
ただやはり重森三玲がつくった苔と白砂の庭は美しく、何回訪れても飽きることはありません。「虹の苔庭」と讃えられることも。


       
       
   龍吟庵

紅葉の季節に特別公開される龍吟庵。
こちらも重森三玲の作庭で、他の寺院に比べて特に前衛的なイメージの庭になっています。
鋭さを備えた石を縦に、そして横に配した庭が紅葉に映える景観はとても印象的。
個人的には重森三玲の作品の中で一番好きな庭かもしれません。
龍吟庵では端正な唐門、日本最古の方丈(ともに国宝)も大きな見どころです。



       
       
       
       
 芬陀院   雪の芬陀院   
       
       
       
       
 退耕庵    盛光院  
       
       
   一華院 

数ある塔頭の中でも、特に上品な印象を受ける一華院の庭。方丈を囲んで「四神相応の庭」が作られています。
中でも室町期に作庭されたとされる南庭の「依稀松庭」(いきまつのにわ、朱雀に相当)は朱雀の羽のように伸びた松の枝、
苔庭の中央に置かれた蹲踞(つくばい)など美しい個性を放っています。



       
       
   
       
 霊雲院   霊源院   
       
       
     
       
天得院    即宗院   
       
       
       
       
 東福寺の坪庭    東福寺境内  
       
 
東福寺の塔頭を拝観して、
他の禅宗の寺院との大きな違いを感じるのは、特別公開と言っても決してもったいぶらず、たいていの場合は庭の撮影は基本的に自由。
ご住職もお高くとまっていなくて、質問すると丁寧に庭の解説をしてくださったり、とても心地よいご対応が印象的でした。
(勘違いしているどこかの寺院にもこの謙虚さを見習って欲しい・・・・・)   



       
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