古峯神社神苑「古峯園」 峯の池
古峯園露地
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栃木県鹿沼市の山間、「古峯ケ原(こぶがはら)」に鎮座する古峯(ふるみね)神社。
日本武尊を祭神として、地元では「天狗の社」として篤い信仰を集めています。
その神社の神苑として作られたのが「古峯園(こほうえん)」。
名前すら知らなかったこの名園に、Yuky Rさんが見事なハンドルさばきで山道を運転し、連れてきてくださいました。






境内は新緑に囲まれ、渓流が流れるという美しい自然の中。この景色だけでも十分に「来て良かった」と思えるほど。
反対に人工物である「庭」が果たして自然の美しさに太刀打ちできるのかな、と言う懸念も
(庭は都市の中にあるからこそ、その美しさが映える、という勝手な自論もあったので)。







実際に庭園に入ってみると、自分のちっぽけな自論が吹き飛ぶほどの壮大な絶景!
見事に自然との融合が実現されていました。








池の周囲で咲き乱れる菖蒲も色とりどりの美しさ――。







それにしても、ほんとなんて雄大な風景なんだろう――。近くまで迫る山並みや杉林をすべて借景に組み込む壮大な作庭。
池(峯の池)の周囲の風景は、帝王の庭「修学院離宮」を彷彿とさせます。









雨の日に訪れたときは、すぐそこまで雲が降りてくる幻想的な雰囲気に







「峯の池」の畔に建つ四阿(あずまや)「静峯亭(せいほうてい)」の中からは額縁庭園が楽しめます。











古峯園がすごいのは、ただ雄大なだけではなく、とても細かいところまで配慮が行き届いているところ。
要所要所に石灯籠が配され、漠然となりがちな広大な庭を引き締めています。





壮大な風景の中で一基の石燈籠に気づいたとき、視線と意識の焦点がそこに収斂される見事な庭園の美学








「峯の池」の奥には滝も流れています。ちゃんと鯉魚石(りぎょせき、水を受けている石で、鯉が滝を登っている姿を現す)が配され、
見事な滝石組となっています。







滝周辺の護岸の石組みと配置、苔の美しさも完璧――。





古峯園にはこの他にも露地、苔庭などがあり、
日本庭園の要素が全て含まれ、それも全ての庭が完成された水準に達しているという点がすごいです。
この天下の名園を作庭したのは、七代目小川治兵衛の甥に当たる岩城亘太郎(いわき・せんたろう)。
古峯園以外では、ホテルニューオータニなどの庭園も手掛けています。
岩城氏の壮大な構想と細部までのこだわり、庭を愛する一市民として心から尊敬します・・・・。



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